ベトナム盲人協会を訪問

ドイツ製の点字印刷機 50年前のものだ
 日本テレソフトは、7月18日から、20日にかけて、ベトナムのハノイ、ホーチミンの盲人協会を訪問しました。それぞれまだ遅れの目立つパソコンによる点字システムや点字ディスプレイなどについて、積極的に支援を行なうことなどで合意いたしました。

 ハノイの盲人協会はベトナムを代表する組織で、政府部門の一つになっています。47000人の視覚障害者が、全国64の支部に分かれて加盟しています。視覚障害者は約60万人に上ると見られていますが、過去の戦争による影響で、視覚だけなく聴覚など複合的な障害者が多いそうです。

印刷用の原版を製作する
 本部の施設には、50年前のドイツ製の印刷機が現役として活躍し、各種の点字資料の印刷に使われ、パソコン型の印刷機はありませんでした。今後、ベトナム語の点字翻訳ソフトの開発とあわせて、点字・墨字の同時印刷の可能な日本テレソフトの点字プリンターを導入し、教育や連絡の充実を図りたいと言う希望が寄せられました。

 付属の盲人学校は郊外にあり、ノルウエー政府の支援で建設されています。ここでは主に、マッサージ教育を行ない、盲人の職業訓練、職場の確保に寄与しています。約3ヶ月のコースで教え、15歳から40歳くらいまでが泊り込みで宿泊していました。

ホーチミンの盲人協会本部学校も付属している
 学校では、パソコン教育に力を入れており、ノルウエー政府の協力によるパソコンと点字プリンターが複数台ありましたが、点字プリンターは故障のなどのために、充分稼動していませんでした。

 同様の施設はハノイ市の盲人協会にもあり、ここでは実際にマッサージ店を経営しながら、教育を行なっています。
 従来、盲人の職業としては「爪楊枝」「箒」などの製造が中心で、収入もわずかでしたが、マッサージでは平均月5000円程度の収入があり、現地では恵まれた環境になっています。

 ホーチミンの盲人協会も本部内にマッサージ教育を中心として学校を敷設し、60人が入学していました。市内には4000人の視覚障害者がおり、うち1500人が会員になっています。本部のほか、18の支部があるそうです。

 パソコンは管理用に1台があるだけで、点字プリンターなどはなく、点字印刷による教育の充実を強く望んでいます。現地では大学の協力でパソコン用の点字ソフトも開発されており、日本テレソフトではこのソフトの充実と点字システムの開発と導入に協力する予定です。

ハノイ盲学校ハノイ盲人協会の幹部の方々と同行の東京都のスタッフ(今回は、東京都のビジネスナビゲータの支援を受けて、訪問した)
付属の図書館 古い点字印刷物が多い日本財団による寄付でパソコンが5台ある

pagetop

Copyright (C) 1986-2024 日本テレソフト All rights reserved.