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目も耳も不自由な人と健常者が自由に会話や電子メールを楽しめる。 そんな情報機器「マルチブレイル」を世界ではじめて開発したのが日本テレソフトだ。健常者がパソコンでメッセージを入力すると、相手側にはそれを指で読めるよう「ディスプレイ」に点字が表示される。逆に専用キーでの点字入力は相手のパソコン画面でひらがな文字になる。
厚生労働省の推計では、視覚・聴覚の二重障害者は全国で約ニ万人。こうした人たちの情報伝達法は触る事が基本。点字符号をモールス信号のように伝える「指点字」や点字印刷物などで情報を入手しているが、電子化されていなかった。
昭和六十一年の発足当初は、普通のソフト開発ベンチャーだった同社が福祉関係に手を染め始めたきっかけは、創業から3年たった頃に訪問したある区役所職員の一言だった。
「点字を知らない人間も簡単に点字文書が作れるソフトがない」。
この言葉がマスコミ出身の金子秀明社長の耳に残った。点字文書自動作成ソフトの製作に取りかかる。今では、点字読み取り装置や点字プリンターなど障害者支援の福祉機器をそろえている。
創業事業のソフト部門では、市場拡大が期待されるGIS(地理情報システム)を手がけている。目的地の地図を瞬時に表示するソフト「DATA地図」は施設管理や防災支援など幅広い用途で採用されている。

■ トップの一言
「障害のある人たちがもっと自由に会話し、デジタルデバイドを解消できる機器が必要」
「福祉機器の市場は大きくない。価格を安く提供するには日本だけでなく、海外でも販売し、台数を増やし、スケールメリーを追求するしかない」

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