点字プリンターの活用

活用広がる点字システム 情報の障壁をクリア 誰でも点字が作成できる

 ㈱日本テレソフトの点字プリンターは、印刷時の音の静かさとともに、点字と墨字が同時に印刷できる特徴から取り扱い易い、高機能の機器としてご利用されています。
 最近は、従来の盲学校、点字図書館など視覚障害者関係機関に加えて、普通学校や病院など情報バリアフリ-解消を目指した幅広い利用が行われています。

広がる教育現場での活用



 視覚障害者支援センター(東京)の調べによると、平成15年度は51人の視覚障害者の方々が大学に進学されました。昨年度の38人から13人増えています。内容的には、点字の使用者が34人、また墨字の使用者は17人ということです。
 進学先は東京の上智大、東洋大、群馬大、東京女子大など全国わたり、専攻も教育学部、福祉関係学部が目立つ一方、経済学部、外国語学部、経営学部、情報処理関係、音楽など幅広い分野で勉強をしています。最近は大学側の受け入れも進み、推薦枠などの拡大も進学を支えているとのことです。

進学先を支える点字システム

 大学での学業を支えるのが、㈱日本テレソフトの点字システムです。 特に点字と墨字を同時に印刷できる点字プリンター「DOG-Multi」と簡単に点字文書を作成できる点字点訳ソフト「ハートコミュニケーション2001」の組み合わせにより、 点字の知識がない人でも簡単に教科書などを作成できます。しかも、点字とともに印刷された墨字で、その内容を確認できるために先生が生徒とのコミュニケーションを簡単取ることができます。点字というハンデキャップが全くありません。
 また、小さなことですが、点字と墨字の印刷位置を自由に設定できるため、生徒の手で墨字が隠れることもなく、逐語的に教育することができます。盲学校などでも全ての先生が点字を理解できるわけでないので、大変便利にされています。
 多くの学校の場合、ボランティアの方々が教科書や副読本などの資料を点字化してサポートされていますが、パソコンの点字システムの活用により、従来の何倍もたくさんの点字印刷物を作成することができ、負担も軽くなりました。 専門的な勉強をする人が増えるにつれて、こうしたサポートがより大切になってきています。

普通中学、高校でも

富山県大山中学校
 北アルプスの山々を望む富山県大山町。美しい自然を満喫できる豊かな町です。この町の中学校に視覚障害の生徒が通うことになり、学校教育を補完するために町を上げてサポートされています。
 学校と社会福祉協議会にそれぞれ点字プリンターを設置して教科書などを点字化、また、関係の参考書など作成されています。取り扱いが簡単ですから、導入後すぐに点字サービスが可能になりました。 先生も点字と墨字の同時印刷ですから、教える上で便利です。
 また、父兄や友達が気軽の点訳のお手伝いをすることでもで、ハンディキャップを感じさせないような養育環境が実現しています。このほか、大阪市内の中学、群馬、神奈川、長野などの高校でも同様に点字システムによって教育が行われています。

薬の説明や注意書きを点字でサービス



大阪市立大学医学部付属病院 薬剤部窓口
 同大学病院では薬剤部が中心となり平成13年から点字薬袋の作成を始めています。
 視覚障害者の患者さんに薬を正しく使用してもらうために、従来は錠剤の1回量の包装や薬剤師による個別の服薬指導により対処してきました。 しかし、薬によっては1回量包装に適さなかったり、点眼剤とローション剤の識別性や使用法の確認など誤用防止のために、充分な患者サービスができませんでした。 そこで、点字システムを導入し、専用の点字ラベルシートに患者氏名、引き換え券番号、診療、服用方法、投与日数、1回服用量を点字と墨字で印刷して、袋に添付しました。 点訳作業は正確性を期すために、外部に依頼するシステムを組み上げました。
 その結果、視覚障害者の患者さんが服薬の自己管理を行う際に必要な情報提供ができるようになりました。さらに、予め繁用される薬については、事前に同種のものを作成しておくことで、迅速な対応が可能になり、 また、墨字を併記することで患者さんの家族、介護者にも情報を提供でき、理解を広げることが可能になりました。こうした病院などでの採用は、福岡市民病院など広がりを見せており、情報バリアフリーの解消に貢献しています。

大空のバリアフリー ANAが点字サービス



 多くの人が利用する公共の交通機関。それだけに、安全やサービスの上で視覚障害者の方々へのバリアフリー対策も進んでいます。点字での料金表の作成、駅ホームの転落防止のガイド、案内誘導にも工夫がしてあります。
 そうした中で、ANAでは機内での安全のしおりや機内サービスの内容を点字化しています。この提案は客室乗務員から出て採用され、作成も勤務の合間に乗務員の方々が交代で行っています。 生命にも関わる情報だけに、点字だけでなく墨字が同時に印刷されていることで関係者は安心して点字の作成をされています。国土交通省でも身近なバリアフリー解消策として点字システムを導入しています。

マラソンも楽しくなるー郵便局が協力して点字完走証明書

 茨城県霞ヶ関で開催される盲人マラソンは、海外からも参加者のある目の不自由な人の代表的な大会です。
 伴走ボランティアと一緒に走りますが、無事に走り終えると、当日の記録、天気や風向、風力などを点字と墨字で書いた完走証明書が作成されます。 これは地元の特定郵便局長さんが、㈱日本テレソフトの点字システムを利用して作成しているもので、汗を一杯にかいた選手が、郵便局特設のテントの前で、受け取ります。 そして、自分の記録などの内容を確認するうれしそうな表情で大切に持っていかれます。

自治体の導入進む 在宅支援制度にも関係

 群馬県玉村町。東京から関越自動車道で1時間あまりの農村です。
 この町の点字利用者はわずかですが、町長の「行政は等しく公平に」という考えから、点字システムを導入されました。町の第3セクターに設置され、広報誌の点訳や案内まで活発に利用されています。 今では、周辺の市町村から委託を受けたり、インターネットで営業活動をして、点字名刺の作成代行をするなど、ビジネスにも発展しています。
 こうした自治体での導入は盛んになっており、点字での選挙公報の作成などその内容も広がりをみせています。また、在宅介護支援制度により、自治体はその内容を広く公知する必要があり、 視覚障害者には点字による提供も必要になっています。ほかにも職員に視覚障害者を採用するケースも増えており、その場合は給与明細なども点字化も行われています。

大型遊園地、施設でも活用



 多くの来場者で賑わうテーマパーク。修学旅行などで地方から盲学校の生徒さんが遊ぶことも多いようです。 従来からハンディキャップのある方々へは優先的な入場や園内でのガイドなど充実した対応がされちましたが、点字でのガイド作成も加わりました。 「ようこそ○○学校の生徒さん」とウエルカムメッセージの作成やレストランのメニューガイド、そしてアトラクションの説明など広く活用されています。  同様に北海道のキャンプ施設ではその注意や季節ごとの話題などを点字で提供して感謝されています。 こうした活用はまだ多くありませんが、こうした施設では「作成も簡単で、ワープロ感覚で気軽にやっています。」と話されています。

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